――午後8時。シブヤ地区のウエストサイド。 鳳凰学園高校のチーム『セブンスヘヴン』と獅子堂高校のチーム『ルートセブン』は常にウエストサイドの王座を巡って対立していた。 争い事が絶えない彼らだが、決して悪害だけの存在では無かった。
なぜなら、彼らは自分達が生まれ育ったこのシブヤ地区を誰よりも愛しているからだ。 この街で悪意のある行動をとるほとんどの若者は地方出身者であり、マナーもモラルもない輩に対して容赦はしない。 事実、この二大勢力の影響力があまりにも大きいが故に、街の秩序は保たれていると言っても過言ではなかった。
そんなある日、突如『スラッシュ』という謎のドラッグがシブヤ地区のあちこちで横行しているという黒い噂が飛び交う。 これはもちろん『セブンスヘブン』『ルートセブン』両チームにとっては由々しき事態。彼らはそれぞれのチーム独自のルートを使い、ドラッグに関する情報を集める。 やがてドラッグの出処はとあるクラブだという事を両者ともに突き止める。
錯綜する情報の中で、なにより彼らを憤慨させたのは、このドラッグ問題の主犯が、『セブンスヘブン』であり『ルートセブン』だという街の噂。 シブヤ地区の若者達の間では大きな話題となっていた。しかし『セブンスヘブン』の調べでは、ドラッグマーケットの片棒を担いでいるのは『ルートセブン』だと確信していた。 お互いに相手チームを疑い、罵り会い、睨み合いはピークへ。もはや2チームの抗争は逃れられない状況に。
そんな中、追い打ちをかけるようにさらなる事件が起こり、それは両チームともに互いへの疑心暗鬼を深めていく……